治療案内

顎関節症

TMD/TMJ

顎の関節の軟骨がスムーズに動かない場合は、顎を大きく動かした際に音がしたり、痛みを感じることがあります。心あたりがある方は歯科医院での検査をお勧めします。

顎関節症
顎関節症
 

顎関節症の3大症状

  1. 口を開けたり閉じたりした時に顎(耳の前、顎の横、下など)が痛い。
    (何もしなくても痛む自発痛がずっと続く場合は顎関節症ではありません。)
  2. 前よりも口が開かなくなったり、動きが変になった。
  3. 口の開閉時、耳の前のあごの関節の辺りがカックンと鳴る。

これらのうち、1つでも症状があったら顎関節症かもしれません。

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症型分類

日本顎関節学会では、症状、状態により5つの型に分類されています。
実際には、1つだけの症状であったり、いくつかの症状が複合的に発症したりしますので、これらがどの原因により現れているか見きわめる必要があります。

 

顎関節症Ⅰ型

咀嚼筋障害を主徴候としたもの

顎関節症
 

 

顎関節症Ⅱ型

円板後部組織・関節包・靭帯の慢性外傷性病変を主徴候としたもの

顎関節症
 

 

顎関節症Ⅲ型

関節円板の異常を主徴候としたもの

  • Ⅲa:復位を伴うもの(クリックを伴うもの)
  • Ⅲb:復位を伴わないもの(クリックを伴わないもの)
顎関節症
 

 

顎関節症Ⅳ型

退行性病変を主徴候としたもの(顎関節組織の変形)

顎関節症
 

 

顎関節症Ⅴ型

Ⅰ~Ⅳ型にあてはまらないもの

 
 
(引用文献:顎関節症はこうして治すー運動療法・スプリント療法入門 田口 望著 永末書店)
 

何型にあてはまるかを診断した後、それぞれの病態に合わせた治療が必要になります。

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治療の流れ

初診→問診→レントゲン撮影→応急処置→治療:

  • 投薬
  • スプリント療法
    (Ⅰ型~Ⅲ型でスプリントの形が違います。)
  • 簡単な咬合調整
  • 家庭療法、理学療法の指示
  • マニュピレーション
 

以上は保険で対応できます。

 

以下の、より深い内容の顎関節症治療は、残念ながら保険適用ではありません。

  • 筋触診
  • 顎模型診断
  • 筋機能療法
  • 歯列矯正
 

顎模型診断の流れ

歯型の採得

顎関節症
 

 

フェイスボウトランスファー(3次元的な歯列の位置の記録)

顎関節症
 

 

フェイスボウトランスファーの記録

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中心位、側方位のチェックバイト

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チェックバイト

顎関節症
 

 

咬合器への模型付着

顎関節症
 

 

チェックバイトによる下顎模型付着と咬合器の顆路調整

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咬合診断

顎関節症
 

 

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噛み合わせとの関係

噛み合わせの異常によって、噛み合わせに関与する筋肉に強い圧力が加わり、顎関節、歯、歯の周りの組織を損傷して病的変化を起こします。あるいはこのようにして加わった力により、筋肉は過緊張を起こします。

このように間違った噛み合わせにより引き起こされる病的変化のことを咬合病と呼びます。咬合病の症状には慢性の頭痛、顎関節障害、咬耗、歯の破折、歯髄炎、顔面痛、首の痛み、筋肉のけいれん、歯の周りの組織の損傷があります。 顎模型診断によって早期接触、咬合干渉を起こしている所を精密に調べ、咬合調整によって噛み合わせの悪い箇所を治すことにより改善していく場合もあります。 ただ、噛み合わせの調整はミクロン単位でおこなうため、かぶせ物の不適合や歯並びが原因になっている場合は、咬合の調和がとれたものに交換したり、歯の矯正が必要になる場合もあります。

噛み合わせの診査は、かみ合わせ認定医である院長にご相談ください。

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TCH(Tooth Contacting Habit)について

何もしていないとき人の歯は接触しておらず、これを安静空隙といいます。
(前歯部で1~2ミリ、奥歯で0.5~1ミリ)
上下の歯は会話、食物の咀嚼・嚥下という動作をするときに瞬間的に触れ合うだけです。接触する合計時間は一日で20分以下です。

ところが、何かの作業をしているときに上下の歯を触れたままにしていると、たとえ強くかんでいなくても上下の歯を軽く接触させただけで咀嚼筋の一部はは緊張し、働き続けてしまいます。それにより筋肉は緊張し、顎関節も押さえられることになるため、血の巡りが悪くなりちょうど正座していて足がしびれたときと同じように感覚が敏感になって痛みを感じやすくなってしまいます。

このような悪習癖をTCHと呼びます。現代人は、パソコンを長時間操作したり、ストレスの多い環境になって、無意識のうちに上下の歯と歯を接触させてしまっている人が増加しています。口の中に現れる症状として、ほっぺたの内側の粘膜に上下の歯と歯の間の位置に沿って線のようなひだが現れたり、舌の両側にも同じようなひだが確認されます。鏡を見てそのようなひだがある方はTCHを持っている可能性があります。

改善方法として、常に自分の視界に入る所に「歯と歯を離す」などと書いた付箋を貼り、気が付いたときに実行することをおすすめします。
TCHはあくまでも悪習慣ですので、自分で気が付いた時に直す事が必要です。
気を付けてTCHを改善することで顎関節症様の症状を軽減させることが出来る場合もあります。

(参考文献「顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本」 木野孔司著」)
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